たしかなこと。〜両親の愛のカタチ〜
今日、とても素敵なことがありました。
最近、いつも元気な母が体調を崩し気味で、精神的にも弱っていました。
みんなに頼られているけど、自分は誰かに頼ることを知らない、そんな母。
「私は大丈夫!」なーんて言いながらも明らかに弱っていました。
そんな母を、父は心配していたのでしょう。
今日、母の午前の予定が空いたので、母は、父の部屋で猫と二度寝していました。
すると、父がお構いなく、大音量で音楽をかけ始めたんです。
曲は、
時を超えて 君を愛せるか
本当に君を守れるか
です。
小田和正さんの『たしかなこと』です。
なんで人が寝てるのに音楽大音量でかけるの!?
と起き上がった母は、この曲を聞き、歌詞を聞き取ったときに、
ああ、お父さんからのメッセージか。
と感じ取り、ニッコリ微笑んだようです。
口下手な父は、昔から言葉で伝えられない代わりに、音楽を通してさりげなく気持ちを伝えてくれることがよくあったんだとか。
自分のこと 大切にして
誰かのことそっと想うみたいに
この曲は、お母さんの心を最高に癒す、応援ソングになったみたいです。
…、と、ここまで書くと、
何それ!キザ!かゆい!なんかクサい!みたいな。(笑)
ただの仲良しラブラブ夫婦ですよね。
でも、私はこの話を母から聞いたとき、涙が止まりませんでした。
私は、この夫婦に愛があったことに、初めて気づいたから。
私のお父さんとお母さん。
年の差14歳の二人。
年齢を想像させないほどオシャレでカッコいいお父さんと、とにかく綺麗で誰にでも好かれるお母さん。
端から見たら、美男美女の憧れ夫婦で、
かれんいいなあ〜、あんなお父さんとお母さんがいて。
と、よく言われていました。
私は、それを言われる度に、そうかな〜なんて愛想笑いしながら、あぁ、誰もわかってないな…、なんて思っていました。
だって、家の中ではこうです。
言いたいことを、言葉選ばずにズバッと言っちゃう男勝りなお母さんと、
思ったことを素直に言えない上に、口の悪い短気なお父さん。
…相性なんて、いいはずがない。
昔から喧嘩は耐えないし、しかも激しいし、二人が喧嘩すると、私とお兄ちゃんにもとばっちりが来て最悪だし、、二人が一緒にいるのを見ると、いつ険悪になるんだろう…!っていつもハラハラ心配していました。本当にイヤでした。
だから私が高校生くらいのときから、
この夫婦、本当に愛があるのか?
ってずっと疑問に思っていました。
もう、早く離婚して自由になればいいのに。
ってずっと思っていました。
大好きなお父さんとお母さんが、喧嘩して苦しそうな姿なんて見たくないし、イライラしてて欲しくないし、自由に笑っていて欲しい。
だから、お父さんにはもっと理解あるいい人が居るだろうし、お母さんにも絶対居るし。
離れた方がお互い幸せじゃん?って思っていました。
離婚危機なんて、もう数えきれないほどあったし。
子どもたちが、もういい加減自由になったら?と言うことも何回もありました。
でも、二人はなぜか離れませんでした。
私はずっと不思議でした。
離婚出来ない理由が一つもないのに、なんで離れないんだ…って。
でも、今日、その理由が初めてわかりました。
父が、母のことをしっかり考えて、心配していたこと。
母が、しっかりそれを感じ取っていたこと。
言葉で伝えきれない部分でのコミュニケーションがちゃんと出来ていたこと。
父は、母の心でしか感じることの出来ない愛をたくさん送っていたんだな。
必死に母を守っていたんだな。
母も、父に守られていたことがわかっていたんだな。
居ないとダメだ、ってこと、感じていたんだなって。
先日、いつも行く神社の神様に、素敵な言葉を頂きました。
“自分も知らず、先方も知らぬが、可愛いと思う心、愛しいと思う心、それが此の身体から、光となり、波となって、先方の身体に、心に伝わって、これを助ける。”
その言葉を、今日、私は幸せなことに、両親から学びました。
愛を伝えたいなら、その人のことを思っているだけで大丈夫。
とは思いません。
その気持ちをどうにかしてでも伝えたい…!と思ったときに初めて、伝わるんだと思います。
たとえ口下手で自信がなくても、誰かを思う気持ちはそんなコンプレックスなんて軽々と超えます。
伝えたい思いがある、という確かな気持ちは、必ず相手に届くようです。
愛は、目には見えないけどなんか温かい。
なんか、心にジーンと来る、そんなものみたいです。
でも、自分の中に、愛はこうあるべき!とか、こうしないとダメ!みたいな制約があると、人生で一番素晴らしいものに気付けません。
私は今まで、愛に条件を付けていたから、気付けなかったんだと思います。
愛は、言葉では到底言い表せないくらい尊いから、条件なんてつけられません。
簡単じゃないし、ときに苦しいし、決して綺麗ではないけど美しい。
愛は深いなあと思います。
どうか、小田和正さんの
『たしかなこと』
聞いてみてください。
きっと何か、見えてくるんじゃないかなと思います。
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