おいしいコーヒーの真実〜考える消費者に〜
高校生のとき、通っていた国語塾の先生は、国語よりも(いや、国語もすごかったけど)人生について教えてくれる最高な先生でした。
そんな先生がどうしても若いうちに見て欲しいと言って上映会を開いて見せてくれたのが、こちらのドキュメンタリー映画。
「おいしいコーヒーの真実」
世界で最も日常的な飲み物であるコーヒー。全世界での1日あたりの消費量は何と約20億杯!
元から需要は高かったものの、チェーン系のカフェが世界中に増え、コーヒー豆の市場は広がる一方。
だがしかし、その市場の要であるはずのコーヒー農家は悲惨な状況でした。
そんな現状に警鐘を鳴らすべく、エチオピアでのコーヒー生産農家の地位向上のために活動するタデッセ・メスケラに焦点を当て、世界経済・貿易の不均衡と搾取の実態をレポートした映画です。
コーヒーは、エチオピアの経済において、とっても重要で、経常収入の約60%を占めており、1500万人もの方が、何らかの形でコーヒーづくりに関わっていると言われています。
ということは。
コーヒーの需要が増え続ける=エチオピア潤う=発展する!
と考えるのが普通の流れなはず。
ですが、流れに沿わず、エチオピアのコーヒー農家はとても困窮しています。子供は学校に行かずに農家を手伝わなければいけない。対価は少ないのに、生産する量は増え続ける一方で、収支が合わず、農園を手放す人もたくさんいるんです。
なぜ、こんなことが起きてしまうのか。
私はこの映画で、世界規模で行われている経済の闇を見ました。
人を人として考えず、利益だけを見て動く。
そんな状況をどうにかするために、タデッセ・メスケラが、農民たちが国際市場で高品質で取り引きされるコーヒー豆の収穫のために奮闘するかたわら、公正な取引(フェアトレード)を求めて世界中を飛び回る様子が描かれています。
私は、学生の頃から本当にコーヒーが好きです。
チェーンのコーヒー店は週4は利用していて、一人でもコーヒー、勉強のお供にもコーヒー、友達と語り合う時にもコーヒーでした。
だから、この映画を見たとき、私たちがコーヒーにたくさんの幸せをもらっている裏側には、たくさんの目も向けられないような状況があるのだ。と、本当に衝撃を受けました。
そして、こういったことが起きてしまうのは、私たち消費者が求めるからなのか、と、消費者としての責任を大きく感じました。
私たちが生きていくには、ありとあらゆるたくさんの犠牲を必要とします。
お肉やお魚は食べるし、野菜も食べる。蚊はバチっ!てしてしまうし、ムカデが出た時には叫びながら退治してしまう。スーパーで買い物をするにも、レジの人の時間をいただいているし、もう本当にたくさんの犠牲に「ごめんなさい」そして「ありがとう」で、人生は成り立っていると思っています。
でもだからといって、
「誰かが笑えば誰かが泣くのはしょうがないことだ」
といって、あらゆる犠牲を肯定するのは違うと思うんです。
生きているだけでたくさんの犠牲が出てしまうなら、その犠牲はなるべく抑えなければいけない。
私たち消費者の需要を満たし、経済を回すために、
コットン農家で子供が奴隷として働いたり、重過酷労働・低賃金の工場が成り立ったりしていることを、その国に生まれたから仕方ないと思うのか。
ギリギリまでコストを削るために、新しい化学物質をたくさん入れた化粧品を試すために、動物実験が行われることは本当に必要なのか。
とか、利益だけに着目して後のことを省みない社会が正当化されているのは、やはり納得がいかない!!!
しかし、いくら願っても叫んでも、今現在このやり方で社会が回っているので中々改善は難しいのでしょう。
ということで、私たちにできることは、消費者としての意識を高く持つことと、全く新しい風潮の会社を流行らせ、社会のスタンダードにすることだと思います。
コーヒーを買うときの基準はフェアトレードかどうかで選ぶ、とか、ファストファッションは本当に必要な時にしか手を伸ばさないとか、老舗の工場を見にいくとか、化粧品の成分は自分でちゃんと調べる、とか、まずは自分が好きな分野のことを知ること。消費者としてできることは本当に多いです。質素な生活は美徳だけれども、質素とは安いもので満足するということではない。本当にいいものが長く続いてくためには、消費者の意識が一番大切だと思います。
そうすると、会社の活動が、自分ごとになって本当に嬉しくなる。大好きなスターバックスが、2015年に、提供するほぼ全てのコーヒーを倫理的に調達することを達成したと聞いたときは拍手喝采!超嬉しい!でした。社会に参加するってこういうことなんじゃないかな、と思います。まだまだたくさん知って参加して生きたい!
そしてもう1つ、新しい価値観を持った会社を、社会のスタンダードに置くこと。
doTERRAのこの「コ・インパクトソーシング」という取り組みは素晴らしいですよ。
私たちがオイルを使えば使うほどたくさんの人が潤うから。たくさん売れればたくさんの人が幸せになります。
今までは、みんなが良くなるなんて綺麗事だよ…なんて言われていたけど、もう一企業がwin-win-win!なやり方を成立させてるから何も言えませんね。
だから是非、社会に出ている人すべてに知ってほしい取り組みです。
私はこの会社に出会い、この会社がどういう流れで回っているのかを知った時に、本当に鳥肌で、そしてこの会社が急成長しているということにも本当に本当に感動して、社会のスタンダードがこの会社の考え方になれば、世界は大きく変わるのではないかと思いました。
政治も経済も、簡単には変わらないけど、自分の意識は簡単に変えられるし、自分の選ぶものは自分で決められます。だからこれからは、審美眼をしっかり鍛えて、本物を見抜く消費者になることが、これからの時代をよく作っていく一歩なのではないかなと思います。
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